現在位置:

03.薬物乱用頭痛とは?

2021年9月28日 症状別 自律神経の不調

鎮痛剤

薬に頼りすぎると頭痛が慢性化する

ただの頭痛ならわざわざ病院へ行かなくても市販の鎮痛薬を買って飲めばよい、というのが日本において一般的な認識かもしれません。しかし、頭痛がひんぱんに起きる人が、そのつど鎮痛薬を飲んでいると、それによって頭痛を慢性化させてしまう恐れがあります。

 14時間以上の頭痛が月に15日以上(1年に180日以上)出現するものを「慢性連日性頭痛」といいます。

 朝起きてから夜寝るまで頭が痛いという状態 が1カ月も2カ月も続くので、患者さんにしてみればこれほどの苦しみはありません。このような場合は、「慢性の片頭痛」、「慢性の緊張型頭痛」、「薬物乱用頭痛」の3つの可能性が考えられます。

 診断に当たっては、「市販の鎮痛薬を1カ月に15日以上(薬にカフェインが含まれている場合は10日以上)飲んでいないかどうか」をチェックします。もしこれに当てはまれば、それは薬によって起きている「薬物乱用頭痛」の疑いがあります。

 

薬物乱用頭痛の原因は?

月に10日以上「鎮痛薬」か「安定剤」を飲み続けている人は要注意!

「薬物乱用頭痛」とは、アセトアミノフェンや非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs=Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)などの鎮痛薬、トリプタン、複合鎮痛薬(鎮痛薬とカフェインの合剤など)、エルゴタミン製剤などの薬を常用することで起きてくる頭痛です。

 頭痛持ちの人は、またいつ頭痛発作が起きるかわからないという不安があるため、痛いときはもちろんのこと、頭が痛くなくても予防的に薬を飲んでしまっている方が多く見られます。「今日は仕事が忙しいから、前もって薬を飲んでおこう」とか、「今日は大事な用事があるから、頭が痛くなったら困るから薬を飲んでおこう」などという具合に薬への依存がエスカレートしていく傾向があります。すると薬の量が増え、効き目が持続する時間も短くなり、やがては薬そのものに よって頭痛が誘発されるケースがあります。これが「薬物乱用頭痛」です。

 「毎日、朝昼晩、市販の鎮痛薬を買って飲んでいるけれど、全く痛みがとれない。もしかしたら脳腫瘍ではないか」と不安になって頭痛外来を訪れる人も少なくありませんが、それは「頭痛が起きたら薬」ということを長年続けてきて、正しい治療を行ってこなかったからという場合がほとんどです。

本当に大切な事は薬を飲まなくてもお身体を整える事で頭痛は治る

この事を信じて頂ければ、鎮痛剤や安定剤に頼らずに頭痛の無い当たり前の生活に戻ることは十分可能です。そのお身体を整えるうえで最も大切な事柄は、お身体の中心である骨盤を整え、自律神経を正常に働かせる環境を作ってあげる事だと考えます。

「薬物乱用頭痛」の診断基準は、月に15日以上鎮痛薬を飲んでいる場合となっていますが、実際には月に10日以上飲んでいる人は要注意と思ったほうがよいでしょう。特に無水カフェインを含んだ薬は依存性を招きやすいので気をつけたいものです。

NEWSトップへ戻る

MENU CLOSE